独り占めしても、いいですか?
ガラガラ…



9組のドアを開けて中を覗く。



「秀ちゃん…?」



中を見ると、教卓に向かって列ができていて、秀ちゃんはその前に立っていた。



みんな紙とペンを持っているから、凛と同じようにサインを書いてるんだと思う。



「えっ、誰?」



「さぁ?…いや、もしかしてひよ姫⁉︎」



「うっそー!」



ま、またこの展開…



私はドアの陰にサッと隠れた。



もう…頭痛い…



それに胸がモヤモヤして気持ち悪い…



「あ、日和?

どうしたの?」



秀ちゃんが私に気づいてくれた。



並んでいる子に断りを入れてこっちにくる。



私が気まずそうにドアに隠れると、秀ちゃんがそれに気づいて、私を隠すように立ってくれた。


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