独り占めしても、いいですか?
そして今になって気づく。



子供の私たちじゃ、いくら背伸びをしてもロミオの3人は見えない。



これじゃなんのために1時間も待ったのか…



私も凛も全然頭が回ってなかった。



2人で目を合わせてため息をつく。



「きゃっ」



見えないどころか、人が夢中になって前に押し寄せてきて蹴られたり押されたりもう散々だった。



「やっぱり来るんじゃなかった…」



後悔してももう遅い。



私にできるのは、2人と離れないよう必死にしがみつくことだけ。



アイドルがステージにいる間、耐えるしかなかった。


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