独り占めしても、いいですか?
ステージに登ると、予想通り全体が見渡せるくらいの高さ。



「ねぇ、あの子めちゃくちゃかわいくない!?」



「ほんとだ!絶対将来絶世の美女になるよ!」



「今度はあの子が歌歌ったりするのかな?」



一気に私に視線が集まった。



でも今はそんなのどうだっていい。



慣れっこだし。



「凛っ、どこにいるの!?」



私はマイクを使って叫んだ。



確かに全体は見渡せるけど、背の低い凛は大人の足元に埋もれて全然見つからない。



「日和!」



かすかにだけど声が聞こえた。



右のほうから…!



「ちょっと君、困るよ」



私がマイクを使ったことでスタッフの人にバレたみたいで、すぐにステージからつまみ出される。



「お家の人は?」



「あっち、自分で行けるから大丈夫」



「うーん…でもこの人混みだしなあ。

迷子センターで放送をかけてもらった方が…」



そんなことしたら凛の居場所がわからなくなる。



そこにいるのはわかってるのに…!


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