独り占めしても、いいですか?
「さ、行こうか」



知らない男の人に手を差し出されたけど…怪しすぎる。



「あの、どこへ…?」



「え?お嬢ちゃん、人を探してるんでしょ?

探しに行かなくていいの?」



この人、私が凛を探してるのを知って助けてくれたんだ…



「あのっ、助けてくれてありがとうございます。

でも、えっと、その…私、人を集めちゃう癖…?みたいなものがあって…

だから、多分私といると迷惑が…」



「迷惑って?」



「いろんな人に絡まれたり、写真を撮られたり…いろいろです」



「ははっ、そんなこと気にしてるんだ!

いいよ、そのくらい、慣れてるから。

お嬢ちゃん、その歳でそんなことに気を遣えるなんてすごいね。

名前は何ていうの?」



「日和です」



「日和ちゃんか…苗字は?」



「それはちょっと…個人情報なので」



「フハッ、個人情報か!

よくそんなこと知ってるね!

日和ちゃん、おもしろい!覚えておくよ」



「は、はい…」



何だろうこの人。



よくわからない。


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