独り占めしても、いいですか?
「日和!」



凛の声が聞こえた。



「凛っ」



ハッとして周囲を見渡す。



すると、お兄さんの足元に走ってくる凛が目に入った。



「お、ボーイフレンドは見つかったかな?」



「ボ、ボーイフレンドっ!?

違います!友達です!親友です!」



「あははっ、なーに焦ってんの?

かわいいとこあるじゃん!」



人をからかって…!



「はぁっ…はぁっ…日和、やっと見つけた」



「凛、ごめんね、1人にしちゃって」



お兄さんが私を床に下ろしてくれる。



「つーか、大丈夫か?超見られてるけど。

日和、こういうの苦手だったんじゃ…」



「あっ、忘れてた!

凛を探すのに必死で…えへっ」



苦手だけど、嫌だけど、そんなのどうだってよくなるくらい凛の方が断然大事。



凛が無事で本当に良かった。


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