独り占めしても、いいですか?
「日和」



凛に呼ばれてハッとする。



「凛…、私…」



もう無理だよ…



そう言おうとした時…



「諦めんな。

俺の反対を押し切ってでも、やるって決めたんだろ?」



「………うん」



それは、そうなんだけど…



「ならやるしかねーだろ!」



「……………」



凛が私に手を差し出す。



でも、私は自信を持ってその手を握れない。



伸ばした手が宙で止まる。



「大丈夫、俺がついてる」



凛が真剣な目で言い放った。



私はその瞳に釘付けにされる。



どうして…かな。



凛の言葉を聞くと、なんでもできる気がしてくる。



「…………うんっ!」



今度は笑顔で力強く凛の手を握った。



俄然無敵な気分って、こういうこと…なのかな。



絶対に大丈夫な気がしてきた。



なんとかしてみせる…!

< 67 / 721 >

この作品をシェア

pagetop