独り占めしても、いいですか?
「なんの話だ?」



ようやく凛が私を見つけたみたい。



笑い声を聞きつけて駆け寄ってきた。



「えっとね、みんなを動物に例えてたんだ!

ちなみに僕はうさぎ!凛ちゃんはヒョウだよ!」



優ちゃんが動物のモノマネをしながら言った。



「ふーん、で、秀也はシマウマだろ?」



「なんで俺はシマウマなの…」



私は隠れてクスッと笑った。



やっぱりだれがどう見ても秀ちゃんはシマウマなんだ。



「透は?」



「俺はクラゲイルカだ。

美味いぞ」



「……え、そんなのいたっけか?」



今更だけど、凛も追いかけてきてくれたことに少しホッとした。



やっぱり嫌われてるわけじゃない。



そしてホッとするのと同時に嬉しいって気持ちが私の中にある。



自分からその場を離れといて追いかけてきてほしいなんて、私ちょっとめんどくさいやつかも…


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