独り占めしても、いいですか？
♡♡♡



このままじゃいけない。



なんとかしなくちゃ。



午前中、ずっとみんなと距離を置いていた私は立ち上がった。



仲直りしよう。



みんなと一緒じゃないと、やっぱり楽しくないもん。



凛に誕生日プレゼントを渡して、それをきっかけに仲直りしよう。



そう思った私は、自由時間、雪の中で1人クローバーを探していた。



もちろん、目的は四葉のクローバー



こんな季節に生えてるのかすら危ういけど、私にはこれしかなかった。



午前中に先生が読み聞かせてくれた絵本。



『めいちゃんと四葉のクローバー』って言う話。



ひとりぼっちのめいちゃんが、四葉のクローバーをきっかけに、いろんな友達を増やしていく話。



最後に四葉のクローバーは無くなっちゃうけど、めいちゃんの周りには友達がいっぱいで、もう寂しくないねって話。



話を聞いて、これだと思った。



四葉のクローバーを見つけて、凛と仲直りする。



ちゃんとしたプレゼントはまた買うとして、今はこれしかない。



冷たくなった手で草をかき分けるとジンジンして痛い。



それでも私は1人探し続けた。



遠くからみんなが心配そうに見てるのは感じるけど、今は1人で頑張りたい。


< 685 / 721 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop