独り占めしても、いいですか?
「日和ちゃん、何探してるの?

ひめも一緒に探してあげようか?」



姫乃ちゃんが話しかけてきた。



「いいの…?

あ、ううん、やっぱり大丈夫、ごめんね」



甘えてられない。



私が撒いた種だもん。



「じゃあお話ししない?

凛君のことで、悩んでるんでしょ?

ひめが凛君の本当の気持ち、教えてあげる!」



「凛の…気持ち?」



それは気になる。



でもそれを第三者から聞いていいのかな…?



「凛君ね、この間言ってたの」



「何を?…あっ、あった!」



四葉のクローバーが急に目に入った。



私は顔を輝かせて丁寧にそれを摘み取る。



よかった、これで凛と仲直りするきっかけができた。



「あっ、ごめんね、姫乃ちゃん。

それで、なんだっけ…?」



「凛君がね、日和ちゃんのこと、めんどくさいって言ってたよ?

いつも付き纏ってきて、鬱陶しいって」



胸がズキっと痛んだ。


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