独り占めしても、いいですか?
「日和…お昼、屋上で食べるか?」



透が私の気持ちを汲み取ったのか、そう提案する。



「い…いいのっ?

あっ、でも…雨が降ってたってことは、屋上も濡れてる…よね?」



昼休み前最後の授業の途中で雨は止んだから、きっとまだ濡れてる。



制服が濡れちゃう…



「俺の上に座っていい」



「でも、そしたら透が…」



「別にいい」



うぅ…それはちょっと申し訳ないような…



「待って待って、よく考えようよ。

座ったら、ズボンのお尻の部分だけ濡れるんだよ?

そしたら…ほら、周りに勘違いされるんじゃないかな?」



ご飯前ということもあって、言葉をオブラートに包む。



秀ちゃんの言葉で凛が少し笑った。



「ハハッ…確かに。

まだ授業あるし、それは困るな」



「俺は別にいい」



「やめとけって」



じゃあやっぱり屋上は難しいかな…?



あそこが1番空に近いんだけどなぁ。



中庭なら椅子があるけど、きっとそれも濡れてるよね。



「じゃあさ!

今日は売店でパンでも買って、ちょっとマナーは悪いけど、立って食べればいいんじゃない?」



バッ



優ちゃんに勢いよく視線が集まる。



そっか、その手があったんだっ!


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