独り占めしても、いいですか?
「優ちゃん、私、どうしたらいいの?」



「どうしたら、って…ひよちゃん、あの子友達なの?」



「えっと、…うーん、そうだけど…そうじゃなくて…

そうなりたいっていうか…」



私もよくわかんない…



「うーん、難しいな〜。

下手に関わるとひよちゃんが標的になっちゃうし…」



ブツブツと考え事を始めた優ちゃん。



私はその顔をジッと見つめる。



「ごめん、僕じゃ思いつかないや。

凛ちゃんならこういう時、頼りになるんだろうなぁ…」



優ちゃんが唇に人差し指を当てて目線を左上に置く。



「僕から言えることと言えば…」



そう言うと、優ちゃんが見たことのないくらい真剣な、それでいて優しく笑っているような顔をした。



「もうダメだー!って思う時はね、案外、誰か1人いてくれるだけで違うんだよ。

もう少し、頑張ってみようって思えるんだ。

ひよちゃんが近くにいてあげるだけで、あの子の支えになるんじゃないかな?」



優ちゃんがニコッと笑う。



頑張ろうって思える…か。



「それって、私にはみんながいてくれる…みたいに…?」



「うん!そんな感じ!」



そっか、私も辛い時、みんながいてくれるおかげで頑張れるもんね。



私が朱莉ちゃんの側にいてあげれば…朱莉ちゃんの支えになる…のかな?



「優ちゃん、ありがとっ!

私、今度はちゃんと話しかけてみるね…!」



「うん!」



次に会ったら、朱莉ちゃんと話をしよう。



私は味方だよって、伝えたいもん。



「あ、ひよちゃん、3人とも、戻ってきたみたい!」



優ちゃんに言われて振り向くと、凛達が手を振っていた。



手には大量のパンが入った袋達。



あんなに食べれるのかな…?



「さっ!ひよちゃん、行こ!」



「うん…!」


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