独り占めしても、いいですか?
☆*:.。. .。.:*☆



「みんな早く早くっ!」



優ちゃんが1人先に屋上へ続く階段を駆け上がって手招きをする。



「優希うるせーぞー」



面倒くさそうに私の後ろについて階段を登る凛。



本当ならもっと歩くの早いんだろうな〜って思うのは、私のペースに合わせてくれてるから。



階段を登る時は、私の前に透、後ろに凛って決まってる。



透が私の手を引いて、凛は私が落ちた時にキャッチできるように待機。



秀ちゃんは透の前を歩いてるけど、やっぱり私のペースに合わせてくれてる。



優ちゃんは……例外だけど、私を置いて行ったりはしない。



「早く早くっ!みんな遅いよ!

屋上だよ⁉︎青春スポットだよ⁉︎」



キャッキャとはしゃぎながらドアの側で今か今かと待ち構える優ちゃん。



「まぁ、俺達屋上行くの初めてだからね。

優希がはしゃぐのもちょっとわかるよ」



秀ちゃんの言葉に



「でしょー?」



と優ちゃんが返す。



そんなに楽しみにしておきながら、待っててくれるのは優ちゃんの優しさ。



私を1番にしてくれようとしてるんだよね。


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