独り占めしても、いいですか?
けど、少し歩いて、やっぱりおぶってもらえばよかった…って後悔し始める。



階段長い…



きつい…



「ねぇ、秀ちゃん…

やっぱり、抱っこして…?」



前を歩く秀ちゃんの裾を引っ張り、『抱っこして』合図で手を広げる。



「な…⁉︎」



「プッ」



凛が後ろでうろたえる声がした。



それと透の吹き出す声も。



ごめんね、凛。



だって、凛と一緒だと心臓がおかしくなるんだもん。



「うん、もちろんいいよ」



ニコッと微笑んで秀ちゃんが私をお姫様抱っこしてくれる。



秀ちゃんの腕の中はあったかくて大きくて…



眠くなっちゃいそうな安心感。



やっぱり私はドキドキよりもポカポカの方が心地いいな…


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