独り占めしても、いいですか?
秀ちゃんに抱っこしてもらうと、みんなの歩くペースが早まった。



やっぱり、私に合わせてくれてたんだ。



そのまま、あっという間に階段のてっぺんへ。



秀ちゃんが私をゆっくり降ろしてくれて、



「ありがとう」



ってお礼を言う。



「ひよちゃん!開けて開けて!」



優ちゃんが期待の眼差しで私を見つめた。



私はコクっと頷きながらドアノブに手をかける。



ガチャ…



「わぁっ…!」



目の前に広がる光景に、自然と声が出た。



屋上一面は降った雨で巨大な水たまりになっていて、空とクロスレインボーが綺麗に反射して写っている。



気分は空の上にいるみたい。



今なら虹の上を歩いて渡れそう。



私には全てが輝いて見えた。


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