親子って?(ママと私・娘と私)
その様子に綾香は、自分がいかに普段晴香に寂しい思いをさせていたのか‥ということを改めて気付かされたのだった。

「うん、うん‥へぇ~。」

「‥で、○○ちゃんは何だって?」

「うっそぉ!ママ、そんなことなかったわよ。」

頷いたり相槌を打ったり、共感したり、時々質問したり‥。

取り立てて、難しいことなど何もない。

ごくごく、フツーにテーブルの向こうにいる晴香と同じ高さの椅子に座って目を合わせて話をしているだけなのである。

こんな簡単な他愛もないことが‥どうして普段、できないのだろうか‥。

話をしながら、テーブルの向こう側にいる嬉しそうな晴香の顔を見ながら、綾香は自分自身を責め続けていた。


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