何度でも恋に落ちる
「ちーはランチ買わないの?」

「うーん…。うん、いいや。ダイエット中だし」

「ダイエット?そんな事しなくてもちーは十分可愛いよ」



可愛いという言葉に千夏が赤くなると、翼も自分が呟いた言葉に赤くなった。




「…ちー、今日もウチ来る?」



赤くなった頬を頬杖をついて隠しながら翼が呟くと、千夏はニッコリ笑って頷いた。




「翼、1人暮らししてるって事はバイトとかしてるの?」


「うん。留学費用も貯めなきゃならないからね」


「何のバイトしてるの?」


「土日は英語の家庭教師。平日は居酒屋で働いてるよ」


「えっ!?そんなに!?体壊しちゃうよ?」




千夏が心配そうに翼を見つめると翼は優しく微笑んだ。




「ちーは優しいね。大丈夫だよ」



翼は千夏の頭を撫でると、テーブルの上を片付け立ち上がった。




「ちーは今日、講義何限まであるの?俺は次で終わりだけど」


「今日はあと2限残ってる」


「そっか。じゃあ俺、帰りここで待ってるから講義終わったら来てくれる?」


「今日はバイトないの?」


「うん。だから待ってるね」




翼はニコッと笑うと、鞄を持って食堂から出て行った。
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