何度でも恋に落ちる
「千夏は長続きしないよね。熱しやすく冷めやすい体質なのかしら?」

「私は熱しにくく冷めやすい厄介な体質だよ」

「何よ、それ」



真弓は笑いながら千夏の肩を叩いた。




「とにかく、彼氏とその友達が今からここ来るから」

「え?今から!?紹介って後日談じゃないの?」

「さっきメール来てね。もう少ししたら来るから千夏、化粧しておいで」



真弓に促された千夏は、重い足を引きずりながら部屋に入り、ドレッサーの前に座った。



「…このまま部屋に閉じこもってやろうかしら。でもそれが原因で真弓達が喧嘩でもしたら嫌だしなぁ…。よく喧嘩するのに長続きしてるよね、真弓と隼人さん」



私なら喧嘩なんて面倒な事になったら、すぐ別れてしまうのに。


恋愛に幸せ以外の感情はいらない。


ゴタゴタになるのなら、彼氏なんていらない。





千夏はふぅ…とため息をつくと、化粧をし始めた。



千夏の化粧が終わる頃、インターホンが鳴り、真弓の嬉しそうな声が家の中に響いた。
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