何度でも恋に落ちる
「千夏は持田さんと連絡取ってないの?」
家に帰り、リビングでくつろいでいる千夏に話し掛ける真弓。
「うん。連絡しちゃったら会いたくなるし、寂しさが増しちゃうからね」
「そうね。それに千夏と持田さんは、もっと強いもので結ばれてるいるものね」
真弓は優しく微笑むと千夏に抱きついた。
真弓がいてくれるから寂しさに負けないんだよ。
ありがとう、真弓。
抱き合いながら真弓に感謝していた千夏が、何となく棚の上に置かれているつーちゃんの金魚鉢に視線を移すと、千夏は目を見開いた。
「…え?」
「ん?どうしたの、千夏」
「つーちゃん!?」
千夏が棚に駆け寄り金魚鉢を覗くと、つーちゃんが水面に浮んでいた。
泳ぐわけでも
水の中を漂うわけでもなく
水面から体を出して浮かんでいるつーちゃん。
千夏は手のひらですくうようにしてつーちゃんを取り出した。
「千夏…。つーちゃん死んじゃったの?」
手のひらでピクリとも動かないつーちゃんを、呆然と見つめている千夏に歩み寄る真弓。
千夏は静かに涙を流していた。
「……千夏。埋めてあげよう?…ね?」
千夏の涙は手のひらに零れ落ちると、つーちゃんに跳ねて床に落ちた。
翼が夏祭りで取ってくれた金魚。
翼に似てるからと欲しがった金魚。
1人になっても寂しくないと想いたくて翼にねだった金魚。
その金魚は死んだ。
千夏と真弓は近くの公園に行き、隅にある花壇の土につーちゃんを埋めた。
「縁日の金魚ってすぐ死んじゃうじゃない?つーちゃんは長生きした方だよ。…千夏と持田さんが大切にしてたからだね」
真弓は千夏の背中を撫でながら呟く。
「つーちゃんも持田さんがいなくて寂しかったんだね。…持田さんの帰りを待ちきれなかったつーちゃんの分まで、千夏は頑張って持田さんを待っててあげよう?…あと、1年だから」
「…うん。頑張るよ」
家に帰り、リビングでくつろいでいる千夏に話し掛ける真弓。
「うん。連絡しちゃったら会いたくなるし、寂しさが増しちゃうからね」
「そうね。それに千夏と持田さんは、もっと強いもので結ばれてるいるものね」
真弓は優しく微笑むと千夏に抱きついた。
真弓がいてくれるから寂しさに負けないんだよ。
ありがとう、真弓。
抱き合いながら真弓に感謝していた千夏が、何となく棚の上に置かれているつーちゃんの金魚鉢に視線を移すと、千夏は目を見開いた。
「…え?」
「ん?どうしたの、千夏」
「つーちゃん!?」
千夏が棚に駆け寄り金魚鉢を覗くと、つーちゃんが水面に浮んでいた。
泳ぐわけでも
水の中を漂うわけでもなく
水面から体を出して浮かんでいるつーちゃん。
千夏は手のひらですくうようにしてつーちゃんを取り出した。
「千夏…。つーちゃん死んじゃったの?」
手のひらでピクリとも動かないつーちゃんを、呆然と見つめている千夏に歩み寄る真弓。
千夏は静かに涙を流していた。
「……千夏。埋めてあげよう?…ね?」
千夏の涙は手のひらに零れ落ちると、つーちゃんに跳ねて床に落ちた。
翼が夏祭りで取ってくれた金魚。
翼に似てるからと欲しがった金魚。
1人になっても寂しくないと想いたくて翼にねだった金魚。
その金魚は死んだ。
千夏と真弓は近くの公園に行き、隅にある花壇の土につーちゃんを埋めた。
「縁日の金魚ってすぐ死んじゃうじゃない?つーちゃんは長生きした方だよ。…千夏と持田さんが大切にしてたからだね」
真弓は千夏の背中を撫でながら呟く。
「つーちゃんも持田さんがいなくて寂しかったんだね。…持田さんの帰りを待ちきれなかったつーちゃんの分まで、千夏は頑張って持田さんを待っててあげよう?…あと、1年だから」
「…うん。頑張るよ」