何度でも恋に落ちる
7・最後のキス
『ちー…大好きだよ』
もう一度、その言葉を聞きたくて焦っていたけど
本当はもう
諦めていたのかもしれない。
「翼は今、何の仕事してるの?」
千夏を思い出すまで翼を千夏のアパートに住ませる事にした隼人たち。
とにかく記憶を取り戻して欲しい千夏は、翼に色々な質問をしていた。
「地元の塾で英語の講師をしてるよ。今はこっちにいるから休職してるけど、そろそろ帰らないとだね」
「通訳になるんじゃないの?」
「…通訳…」
翼は押し黙った。
「だって、通訳になる為に留学したんじゃないの?」
「…俺は…なんで留学したんだろう。…あんな想いをしてまで…」
「あんな想い?」
千夏が翼の顔を覗き込むと、翼は千夏から目を逸らした。
「翼?」
「…稲葉さんに話したって仕方ないよ」
“稲葉さん…”
本当にもう、ちーとは呼んでくれないんだね。
泣きそうになりながらも、千夏はめげずに言葉を続けた。
「…翼。私と翼はね、隼人さんの紹介で出会ったんだよ。最近知り合ったんじゃない。5年前に私とあなたは出会ってるの」
「5年前…?」
「うん。まだ大学生の頃にね。…思い出した?」
翼は頭を抱えると、小さく唸りながら体を縮こませた。
千夏はソッと丸まっている翼の背中を撫でる。
もう一度、その言葉を聞きたくて焦っていたけど
本当はもう
諦めていたのかもしれない。
「翼は今、何の仕事してるの?」
千夏を思い出すまで翼を千夏のアパートに住ませる事にした隼人たち。
とにかく記憶を取り戻して欲しい千夏は、翼に色々な質問をしていた。
「地元の塾で英語の講師をしてるよ。今はこっちにいるから休職してるけど、そろそろ帰らないとだね」
「通訳になるんじゃないの?」
「…通訳…」
翼は押し黙った。
「だって、通訳になる為に留学したんじゃないの?」
「…俺は…なんで留学したんだろう。…あんな想いをしてまで…」
「あんな想い?」
千夏が翼の顔を覗き込むと、翼は千夏から目を逸らした。
「翼?」
「…稲葉さんに話したって仕方ないよ」
“稲葉さん…”
本当にもう、ちーとは呼んでくれないんだね。
泣きそうになりながらも、千夏はめげずに言葉を続けた。
「…翼。私と翼はね、隼人さんの紹介で出会ったんだよ。最近知り合ったんじゃない。5年前に私とあなたは出会ってるの」
「5年前…?」
「うん。まだ大学生の頃にね。…思い出した?」
翼は頭を抱えると、小さく唸りながら体を縮こませた。
千夏はソッと丸まっている翼の背中を撫でる。