物理に恋して


「秋野?」

「そう、そう!花火、したんだよ、補習の後、みんなで!」

「へー、いいなー。行きたかった。」

「委員長できるから、補習とか参加しないのかなと思ったよ」

「秋野だって、できるじゃん?特に物理。」

「それは1位の人に教えてもらったからだよ」


そう言うと、委員長はあはは、と笑った。

わたしは妙にドキドキして、委員長からもらった袋をガサガサとしてみる。


「これ、開けてみてもいい?」

「あ、うん。どうぞ。お菓子、いろんなやつ」

「ありがと。あ、すごい、限定のいっぱいある」


熱を帯びた顔を隠すよう紙袋を覗きこんでると。


「そっかー、俺も会いたかったな」


なんて言葉が聞こえた。
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