物理に恋して

少ししわのついた紙袋をガサッと机に出した。


「へーなんで美月だけおみやげあるんだろーね?」

優希ちゃんが大声でそんなことを言う。


「隣の席、だから?」

「いや、島田もらってないから。」

菜摘がすかさず、委員長の反対隣の、島田くんの席を指差す。


「…」

3人で島田くんの席を見つめると、優希ちゃんが爆笑し、菜摘も髪を掻き上げながら笑う。


「いや、違くて。みんなで食べてって。これ、はい!」

なぜか罰が悪くなり、お菓子をはいとふたりに差し出す。


「ふーん」

菜摘は爽やかに笑いながら頬杖をついて。

「これは、2学期早々楽しくなりそうだね~。あ、これもらい。」

優希ちゃんは、夕張メロンのハイチュウを食べながらにやにやしてる…。


「ねえ、なんか違う、なんか、おかしいから!」

わたしが否定しようとするも、ふたりはお菓子をつまみながら、次の話に進んでる。

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