物理に恋して
涼しい部屋。
先生の向こう側にある窓の外は暑そうな日差しと、部活の声が聞こえてくる。
今日は課題もないし、やることがなくて。
待つ理由を探してバッグを開けると、修学旅行の案内が見えた。
「修学旅行中、先生ってお休み?」
「いや、普通に3年は授業あるから。勤務だな 。」
「そっかあ。」
「あれ?いつだっけ?」
マウスを操作しながら、先生は言う。
「10月26日からです。」
しかも、次の日、誕生日です、とは言えない。
先生はカタカタカタと涼しい表情でキーボードをたたく。