物理に恋して
「おねーちゃーん、ママがおきてるのっていってるー」
階段から弟の声がして、適当に返事して。
とりあえず、支度をするけど。
え?
何がどうして? 先生が行くって?
嘘でしょ?
…動悸と動揺が隠せない。
「おはよう、美月、起きてたの?」
「あ、うん」
「お天気みたいでよかったね」
「うん」
「お誕生日、帰ってきてからしようね」
「あー、うん」
「おねーちゃん、こーいうのしってる? これおみやげにしてー」
お母さんの会話も、弟のおみやげのリクエストも、なんとなく答えて。
朝ごはんもそこそこに、とりあえず、駅前に向かった。