物理に恋して
「有馬いるんだけど!」
「えー!なんで?なんで?」
「あ、まじだ!うそー!」
集合場所の駅前には、すでに制服の人だかりができていて。
騒いでる子から、先生の名前が聞こえてくる。
先生、本当にいるんだ。
「美月、おはよー!」
優希ちゃんの声がして振り向くと、ふたりが手を振っていた。
「おはようー、人すごいね」
「思ったよりすごいね。美月、見つかってよかったよ」
「ていうかさ、うちの副担、来れないらしい」
「え? そうなの?」
「朝、連絡網まわってきてさー」
いつものようにおしゃべりに夢中になってると、
「はい、新幹線、乗り遅れないように移動してー」
先生に促されて、わたしたちは改札へと歩き出した。