物理に恋して
「ていうか、秋野さん明日誕生日なんだ?」
委員長が苦笑いしながらそう言って、
「あ、うん、そうなの」
わたしも自分のことなのになんとなく答える。
「じゃ、なんか奢る。アイス、食べる?」
「え!いいよ、さっき食べたし!だいじょうぶ、ありがと」
必死になって断ると、
「美月もう1個いけるでしょ?抹茶アイス大好きじゃん」
菜摘がまたさらりと言う。
「ていうか、アイスついてる」
「え!」
菜摘に口の横をペーパーで拭われて、初めて気がついた。
高2にもなって、恥ずかしすぎる..
「い、急いで食べたから、かな?」
苦し紛れの言い訳をするわたしの顔、絶対赤い..
「あはは!隼人のせい、隼人のせい」
男子メンバーがそう言ってくれて、菜摘もそうだそうだと笑う。
班行動するうちに、わたしたちはすっかり仲良くなって。
同じクラスでも知らないことたくさんあるな、なんてことに気がついた。