物理に恋して

ベッドの上、ふわりと後ろから抱きしめられる。


「先生?」

「まさか俺まで修学旅行に来るとはな」

「うん」

「しかも誕生日に。」

「え?」

先生の口から出た予想外の言葉に、びっくりして、思わず振り返る。

だって。

誕生日は、帰ってから先生に言おうと思ってたのに。




「ちょっと早いけど」




いつのまにあったのか、リボンのかかった箱が目の前に差し出される。





「え、なんで、」

「プレゼント。」

「え、なんで知って?」

「みんな騒いでただろ」

「嘘、」

「嘘。」


向かい合った先生に渡されて、
そっと、両手で受け取る。





「...開けていい?」


笑ってる。いいってことだ。





リボンを解く手が震える。

箱を抑える手が汗ばむ。




そっと箱を開けると、ネックレスが光っていた。

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