物理に恋して


先生.. パソコンしてる。



「失礼します」

椅子を引いて座る。

思わず下を向いてしまい、膝の上に置いた手を見つめる。



「具合、大丈夫か。」

ちらり、と顔を上げて見ると。

左側に座る先生が、わたしを見ていた。




先生は、先生モードだ。

クールに聞いてくる。

わたしの好きになった先生。




でも、今はどうしても、よそよそしく感じる。





“それ、外しとけ”






さっきの言葉が蘇る。

外しとけっていうのは、ポケットのこれのことだよね。

疑われちゃうからかな、それとも..



「秋野?」


「あ、はい」


先生に名前を呼ばれて。

目が合ってしまう。
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