物理に恋して

「はい、どうぞー、秋野さんはお水とお茶と、どっちがいい?」

「えと、お茶、ください」

保健の先生が戻ってきて、止まった空気が流れ始める。


「はい、有馬先生はお水。危ないんでPC閉じてください!」

「あ、はい」

先生、言われてめずらしく急いで片付けてる。
なんか新鮮で笑ってしまいそうになる。


「有馬先生、急遽駆り出されたから、仕事大変みたい」

修学旅行明けに3年生のテストがあるらしい。
保健の先生は思わず笑ってしまったわたしに、そう教えてくれる。




幕の内弁当を囲んで食べ始める。
保健の先生とわたしと、先生で。

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