物理に恋して

「今、学年主任から連絡あって、9組の小山が怪我したって」

「怪我?」

「ローラーシューズ?履いてたとかで、ガラスに突っ込んだって。怪我大したことないみたいだけど、今病院向かってるみたい。」


わたしも先生も唖然としてる。


ガラスに突っ込むって..

大丈夫なのかな。

想像できない状況に、心配する。



「もー高校生にもなって、何やってんのよ」

保健の先生はお弁当を片付けながら、飽きれてる。


「とりあえず私向かうんで、有馬先生。こっちお任せしていいですか? 学年主任も早めに戻るみたいなんで、それまでお願いします」

「わかりました」

「秋野さん、ごめんね、お昼食べたらまた部屋で休んで。あ、お弁当、ゆっくり食べてね。何かあったら有馬先生に、それか私の携帯に連絡してね。」

「はい」

保健の先生はわたしを覗き込んで、またにこりと微笑む。



先生って大変だな。

ドタバタとホテルを出る保健の先生を見送ると、テーブルは途端に静かになった。
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