物理に恋して

委員長が、行こう、と声をかけてくれて、頷く。

ロビーにある売店まで、委員長と歩く。



「体調は?大丈夫?」

「うん、ありがと。あ!カメラ、ごめんね。昨日、部屋まで届けようとしたんだけど」

「そうだったんだ、大丈夫。ありがとう。」


委員長がぎこちなく微笑んだ気がして、気になったけど、余計なことは言えないし、うん、と頷いただけになってしまった。



こじんまりとした売店に着くと、委員長とわたし、それぞれに買い物をする。



キーホルダーに、定番の八つ橋。






レジ横に小さな冷蔵庫があって、見覚えのあるプリンがならんでる。




先生、ここで買ってくれたんだ!




部屋の冷蔵庫のプリンを思い出して、にやけてしまいそうになる。





「秋野、買えた?」

「あ、うん!」


ポケットの携帯が震える。



優希: まだー?

菜摘: 早くー!



「あ、菜摘と優希ちゃんからだ。」

「何て?」

「まだー?早くー!って」

わたしが菜摘っぽく読むと、委員長は笑った。
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