物理に恋して
ガチャ
部屋に入ると、一瞬ふたりが見えなくて。
「「美月、お誕生日おめでとー!」」
並んだベッドの間から、勢いよく菜摘と優希ちゃんが出てきた。
「え? え! ありがとう!」
わたしが思わず固まったままふたりにお礼を伝えると、
「美月、普通に驚いてる」
「あはは!」
ふたりが手を叩いて笑った。
「じゃーん!冷蔵庫にプリンあったから、一緒にならべてみた!」
優希ちゃんがサイドテーブルに手招きして、
見ると、おいしそうなタルトとプリンにロウソクが立ってる。
「はいはい!火、ないけど、ふーしよ!」
そう言って、定番のバースデーソングを歌ってくれる。