物理に恋して
♪〜


大好きなふたりが用意してくれたタルトと、先生のプリンがならんでる。


カラフルなろうそく。


プレートに書かれたチョコレートの文字。


火がついてないはずのロウソクが、
ゆらゆら滲んで見える。


あれ、涙、出そう。



「え、ちょっと、美月?泣かないでよ」

菜摘が頭に手をのせて覗き込んでくる。

「そんなにわたしたちに祝われるのが嬉しいのかーい?」

にやにやしながら優希ちゃんが言って。

「いや、今日行けなかったのが悔しいんだよねー?」

菜摘がわたしの髪をわしゃわしゃしながら、言う。

「きゃー」

いつだって、ふたりが和ませてくれる。


..ふたりに言えないことがあるのに、ふたりはいつも一緒にいてくれる。

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