物理に恋して
先生の好み
「あ、有馬(ありま)じゃん。」
2人に遅れをとりながらも、ベランダでお昼を食べていると、優希(ゆき)ちゃんがわたしの頭越しに先生を見つけた、らしかった。
「ここ次物理かぁ~。」
隣でメイクをしていた菜摘(なつみ)も、そう言いながら教室を覗き込む。
振り向いて、反射する窓に顔を近づけると、生徒達に声をかけられて「おー」とか何とか挨拶をしてる“先生”が見えた。
漆黒のスーツに白のシャツ、細めのネクタイ。
相変わらず…
「相変わらずクールだね~。」
菜摘が再び鏡でメイクをチェックしながら呟く。
そう、先生はクール。
そして、かっこいい。