物理に恋して
帰り道。

優希ちゃんとは昇降口で落ち合った。


「ていうか、さっきどこいたの?」

「え?」


携帯をチェックしていた優希ちゃんが、思い出したようにそう言ってわたしを見た。


「バッグ取りに行く前に図書館寄ったらいなかったからさ。」

「あ、中庭だよ。休憩してたの。」

「ふ─ん?」


優希ちゃんが得意のにやり顔をした。


「いや、委員長は何にもないから!!」

「……。」

「本当!」


優希ちゃんが黙るものだから、思わず顔を向けて声を上げる。


「どうだか〜!」


優希ちゃんはにやにやすると一歩前に足を進めた。


─ 絶対、あやしんでるー!
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