物理に恋して
テスト前は疲れる。


俺は静かなのが好きなのに。
うるさいのは超がつくほど苦手だ。


この静かな俺の城、物理準備室は、選択物理の生徒達の部屋と化す。


煙草も吸えねーし。


最後に一本、と思いくわえた瞬間、ドアがノックされた。



「「失礼しまーす!」」

「おー」



ドアが開かれると、狭い準備室には不釣り合いな人数がぞろぞろと入ってくる。

月曜日は多少遠慮がちに、火曜日には当たり前のように。



美月はテスト期間になると当たり前のように顔を出さなくなる。



紛れていりゃいーのに。



って居づらいか。



「先生ここって出ますかぁ?」



そして俺は答えられない質問に応える。
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