物理に恋して

物理準備室

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放課後の物理準備室、いつもの時間。


でも、今日はなんとなく不機嫌そうな先生がいた。


わたしが来てからも、一言もしゃべらない先生。


よくあることだけど、振り向きもしないなんて… 少しだけ不安になる。



─ 教室でも、全然気づかなかったくせに…。



なんて、先生の背中に向かって嘆いてみても、心の声は届かない。




「…先生?」



結局のところ、先生が不機嫌だとどうしても気になってしまうのが、わたしの弱点。


すぐに、様子をうかがってしまう。




だけど。


先生はノーリアクション。



だから。


…今日は、先生の不機嫌に気づかないふりをすることに決めた。


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