物理に恋して
パチパチパチパチ
小さな火花を飛ばしてる、わたしの握る花火。
100円花火の光は安っぽかったけれど、わたしの心を明るく照らした。
「超きれー」
そう言って、隣で花火をするのは、隼人くん。
「秋野さんさっ」
わたしの持っている花火から火を移すと、両手に花火を持ってこちらを向いた。
「メアド交換しよ?」
花火に照らされた顔で、にかっと笑う。
「う、うん」
その笑顔につられて答えると、持っていた花火がシューと音を立てて消えた。