物理に恋して
「美月は花火大会行くの?」
「え、まだわかんない」
「やっぱり3週目がいいわよ〜」
一瞬だけわたしに振られた会話は、すぐに夫婦の会話に戻された。
伊豆の旅行もそうだけど。
毎年開催される地元の花火大会も、楽しみ。
先生と行けたら、なんて妄想が広がる。
浴衣を着て、綿飴を食べて、先生と見る花火。
朝からにやけそうになる。
「おねえちゃん、ここに36どってかいて」
そんなことはお構いなしの弟はすでに朝食を終わらせて、プールカードに自分でハンコを押していた。