物理に恋して

水族館

外にでると辺りは夕暮れで、ビルの隙間に一番星がキラリと見えた。

ずっと車や室内にいたせいか、外の空気が恋しくなる。



「ちょっと歩くか」

「うん」



心なしか躊躇いがちに聞こえて、歩くのも不安になる。



だけど、心地よい風が髪をなでる。



港が見える公園はたくさんの人がいた。



家族連れ、老夫婦、犬を散歩する人。



手をつなぐカップル。



高校生がいた。



「車、戻る？」



少しして、先生が振り向いた。


「うん」


そう答えると、再び駐車場へと歩き始めた。