物理に恋して
ε 花火
家族旅行と花火大会
家族旅行、出発の日。
わたしも早起きをした。
出発前にお母さんに浴衣を着せてもらう為に。
「来週だったらみんなで行けたのにね。一人で大丈夫?」
最後の帯をきつめに締めたあと、お母さんが言った。
「大丈夫。だから、楽しんできて ね?」
和室を出ると、荷物を車のトランクに運ぶお父さん。
「おねえちゃん、おみやげなにがいい?」
DSを手にした弟がわたしの浴衣をひっぱりながら言う。
「あめ、かな」
わたしはどこにでも売ってそうなものを挙げた。
「なにあじ?」
「うーん、おまかせ」
「おまかせ」
弟はそう繰り返すと、再びゲームを始めた。
準備に時間がかかるお母さんだから、結局みんなが出発したのはお昼前。
わたしは後ろの窓にへばりついた弟に、笑って手を振った。
みんながいなくなった家は、昼間なのに静かで、少し寂しい。
だけど、わたしには計画がある。
わたしも早起きをした。
出発前にお母さんに浴衣を着せてもらう為に。
「来週だったらみんなで行けたのにね。一人で大丈夫?」
最後の帯をきつめに締めたあと、お母さんが言った。
「大丈夫。だから、楽しんできて ね?」
和室を出ると、荷物を車のトランクに運ぶお父さん。
「おねえちゃん、おみやげなにがいい?」
DSを手にした弟がわたしの浴衣をひっぱりながら言う。
「あめ、かな」
わたしはどこにでも売ってそうなものを挙げた。
「なにあじ?」
「うーん、おまかせ」
「おまかせ」
弟はそう繰り返すと、再びゲームを始めた。
準備に時間がかかるお母さんだから、結局みんなが出発したのはお昼前。
わたしは後ろの窓にへばりついた弟に、笑って手を振った。
みんながいなくなった家は、昼間なのに静かで、少し寂しい。
だけど、わたしには計画がある。