物理に恋して
ファミリーパックの花火をばらして、ベランダに出てみる。



10階からの見晴らしはなかなかきれいだった。



「ほら、どれから?」


振り向くと、ワイシャツを腕まくりした先生がライターをカチカチさせていた。


「じゃあ、これ!」


わたしは一番たくさんある花火を一本手に持つと、先生に火をつけてもらおうと差し出した。
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