物理に恋して
ジュ─


パチパチパチパチ


両手に花火のわたし。

それを眺める先生。



先生の手はいつの間にか花火じゃなくて煙草になってた。



「ほら、右、消えちゃうぞ」



そう言いながら次の花火を渡す。



バチッバチバチッ



「花火とか久しぶりだな」


驚くほど大きく火花を散らす花火を見ながら、先生がつぶやく。



「わたしはこの前物理のみんなとしたよ!」


わたしは花火をくるくる回す。


「電話に出たの隼人だろ?」


「え… ? あ!」


「あたりかよ」


先生は笑って煙を吐いた。


わたしは驚いたまま、消えてく花火を見つめた。
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