きみと過ごした最後の日を、ぼくは覚えていますか。



そう言って陽子さんは、片づけられた俺の荷物を持って、先に車へと戻っていった。


「...慣れる、か...。」


陽子さんは、俺の知らない間に、俺の『義母』となっていた、父さんの再婚相手だった。


それが、どういうことかというと...。

本当、どこかのマンガにでもありそうな話。


俺はつい二ヶ月前まで眠っていた。

何でも二年前、大きな事件に巻き込まれたらしく、意識不明の重態でずっと眠っていたようだ。


つまりはそう、ここは俺の知らない世界。

俺の知ってる20XX年ではない。



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