きみと過ごした最後の日を、ぼくは覚えていますか。
「変な感じだな...。」
俺の中での俺は、まだたった17歳の普通の高校二年生なのに、世間では、俺は19歳だ。
せっかく猛勉強して受かった高校も、もう在籍していないことになっている。
仲の良かった友達は、みんな都会に出ていて、こんな田舎に残ってる同級生なんてものは、俺を含めて片手ぐらいだ。
たった二年で、俺の知る世界はなくなっていた。
「裕介、体は大丈夫か?」
まだ不慣れな足で、のんびりと車まで向かうと、運転席で父さんが煙草を吸っていた。