きみと過ごした最後の日を、ぼくは覚えていますか。
「お待たせっ、裕一(ゆういち)さん、裕介くん。」
「随分と遅かったなぁ。待ちくたびれたよ。なぁ?裕介。」
そう、だから実感がない。
陽子さんが、『今』の俺の『義母』であるということに。
「...そんな待ってないだろ。陽子さんをからかうのも程々にしないと、そのうち嫌われるぞ。」
それでも、受け止めるしかない。
先へ先へと進んでいく体と、それに追いついていかない頭で、この現実を受け止めるしかなかった。