きみと過ごした最後の日を、ぼくは覚えていますか。
◇夏の、見知らぬ少女
「裕介くんっ、こんな朝早くから出かけるの...?」
「うん...。せっかく退院できたんだし、ちょっと外を歩きたくて。」
「そう...気をつけてね。お昼作って待ってるから...。」
......。
「うん、ありがとう、陽子さん。それじゃあ、いってきます。」
そう言ってドアを閉めると、瞬間、少し息がしやすくなった気がした。