【短】恋のTrick or Treat
Treat
駅に着くまでの間、嗚咽をこらえながらも、瓜山のことを考えてた。
今もまだ楽しそうにお菓子を求めているのだろうか。
私のことは忘れて。
最終的にたどり着く答えは『チャラ男だから』なんだけど
そのチャラ男に私はいつの間にか惚れてしまったんだ……という反省もしたり。
私には男運というものがないらしいね。
ざんねん。ほんの気持ちだけね。
「一度でいいから、」
「南川ぁあああ!!」
『素敵な恋してみたいな』
と続くはずだった言葉は大きな声により掻き消された。