【短】恋のTrick or Treat
「では、朝の続きをしよう!」
「ナイトパーティー?」
「お!よく覚えてたね~偉いぞ南川ちゃん」
「やめてよ、触るな!」
頭撫でるとか何考えてんの!?
仮にもここ公園ですけど?!公共の場ですけど?!
バカなの!?
「南川っておもしろいよね」
今度はなに??
おもしろい!?
「なに、私からかわれてるの?」
「そう思う?じゃ、そーゆことにしといて」
いちいちムカつくな。
もう少しおちょくるんだったら速攻帰るからね……。
「南川は1人で帰れないよ。この辺知らないでしょ?」
「……っ」
「あはは、ほら面白いじゃん」
何も返す言葉が無くなってしまった今、黙って手を握ることしか出来ない。
「さ、今日はなんの日だ!」
ほら、朝の続きでしょ?なんて笑ってる彼はとても楽しそうだから、私もつられて笑ってしまう。
「ナイトパーティー。じゃなくてハロウィンでしょ」
もっと世間一般的に言いなよね。
まったく、瓜山の方がおもしろ──。