好きじゃないのに


「あの、なんで追いかけてきたんですか?」



「あ?…クラス替えの紙取りに行くんだよ。」



あ、教室行くんだ。



「おまえ今、すっげえ失礼なこと考えただろ。」




「いいえ、まったく。」




「すっげえ棒読み。」



そんな話しているうちにクラス替えの紙がある空き教室にたどりついた。
もうとっくに時間が過ぎてるけど紙あるかな。



あ、あった。
よかった。



「おー高野ー!めずらしく遅刻か?」



でた…ニヤリと気持ち悪く笑う先生…
林先生は私が1年生の時の担任で、なにかとちょっかいをかけてくる先生だ。なんでここまでちょっかいかけてくるんだろって思うくらい。



体育の先生なんだからもう少し、しゃきっとしてほしい。




「すみません。」



少しイラッとくるけどそこは先生だから我慢している。



林先生は私が笑っているのを見て満足したのか隣にいる不良くんに目を向けた。



すると先生の顔が青ざめていくーーー



「おい…早くクラス表…」



さすが不良くん。
いくら先生でも敬語なんて使わない。ていうか睨んでるようにも見える。


「あ、ああ…わかった」


ほら先生も怖がっちゃってるじゃん。

少し面白いけど…

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