好きじゃないのに
「なんで怒ってたの?」
クラス表をうけとった私達はクラスへ向かう。
「あ?あれは…なんとなくだ…」
不良くんは少し目をそらしながらそう答える。
「それよりお前何組?」
「A組だけど。」
「俺もA組…」
「え!A組?てかその前に同じ学年?!」
「ああ。そうだけど。」
てっきり一つ上かと思ってたからびっくりしちゃった。
「おまえ、俺のこと年上だと思ってたのかよ。」
「うん。だって…不良っぽいし、失礼なやつだし、偉そうだし。」
「あ?」
「いや、なんでもないです。」
「まぁ…でもそう思ってくれてたほうが…」
「ん?なに?」
あまりにも小さい声で言ったから聞こえなくて聞き返した。でも不良くんはただ廊下の窓から見える外の景色を遠い目で見るだけだった。